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「Web標準の日々」セミナーにいってきました。

days of web standard
先日の7/15-16と秋葉原のデジハリ大学院他全3会場で行われた、Web標準がテーマのセミナーに参加してきました。(セミナーオフィシャルサイト)
Web系制作・開発に関しての各分野のスペシャリストが演者となり、2日間で計71セッションが行われたかなり規模の大きなイベントでした。おもにXHTML/CSSトラック、Webディレクショントラックの系8セッションに参加してきました。以下に簡単ですがレポートさせていただきます。

(1)[Conformance is boring. Web standards are cool!]
Karl Dubost/Olivier  Thereaux:W3C
W3Cのスタッフによる、Web標準準拠への心構え的セッションでした。概論的な内容だったため具体的な制作スキルにつながるようなセッションではありませんでしたが世界的なWeb標準化への動きはますます加速度的に広まっていくこと、また早いうちからの標準化準拠が望ましいことを実感させられた内容でした。XMLはIE7で未対応の部分も多いとのことですが、今後この仕様によりさらにWebの可能性が広がるとのことでした。「予防は治療に勝る」との言葉を掲げ、早いうちからXHTML/CSS Validなページをつくることによって将来のブラウザ進化にも対応できるとの見方をあらためて強調していました。 またソースに文法上BadPageがあった場合今までは各ブラウザごとのルールで表示をしていましたが、思案中のHTML5以降はブラウザの読み込みが出来なくなる機能が盛り込まれるというようなことを述べていました。(←これは実際どの程度の動きをするかによりますが制作上かなり影響でるのでは?一気に標準化準拠が余儀なくされるか??)

Web標準は常に進化していくもの、未完成のものであるからW3Cのワーキンググループに参加してWeb制作にかかわる人々それぞれの意見を投げかけてほしいとのことでした。オープンなプラットフォームとして生まれたWebならではのW3Cの考え方はなるほど納得。 また、WebStandardはビジネスを行っていくうえでの有効なツールでなければならないとも言っており、その辺りはしっかりと釘を刺しておられました。顧客を満足させることがもっとも重要であり"Use Web Standards for better business"と言う言葉でセッションを閉めていました。
参考:http://www.w3.org/QA/2007/07/the_way_of_web_standards

 (2)[名前のウェブ] 神崎 正英
演者はthe Web Kanzakiというサイトを運営しており、また日本におけるセマンティックウェブ開発のスペシャリストである方。業界的にはかなり有名な方だそうです。このセッションにおいてはHTML,XHTML,CSSの言語における要素型名、クラス名などさまざまな名前が織り成す関係について再度捕らえなおすところから出発し、演者ならではのXHTML文書のプロファイル情報を利用したさらなるWebの可能性について言及する内容でした。
丁寧に説明してくれていたのですが、なにせ自分にはかなーり高度な内容であったため半分も理解できなかったのが悲しいです。(涙)
以下、まとめ。 

  • 情報を伝える媒介として名前が重要
    o 本質的な情報である生命情報は、社会情報、機械情報として交換、蓄積される
    o 社会情報や機械情報を適切に解釈するためには規範(標準)の共有が必要
    o 社会情報の空間は、名前を適切に用いることで共有、伝達が可能になる「名前のウェブ」
  • ローカルな名前はプロファイルでグローバル化してRDFグラフに
    o XHTMLには要素型名のようなグローバル名と、@class(及び未定義の@rel)属性値のようなローカルな名前がある
    o @profile属性で文書プロファイルURIを指定することで、ローカルな名前も共有可能になる
    o RDFグラフを抽出するには、主語(文書のトピック)を適切に扱う必要がある
  • データをできるだけリンク可能にする
    o 目的語としての名前はリンクできる(URIを持つ)ほうがウェブの力が発揮できる
    o 可能ならa要素でURIを与え、@relでその働きを示すようにする
    o キーワード文字列はURIを与えて間接的に概念(URI)に結びつけ、さらにWikipediaなどの情報ページにリンクできるようにする
    o リンクする名前で「名前のウェブ」を豊かに
参考:http://www.kanzaki.com/works/2007/pub/0715dws.html

 (3)[これから始めるCSSレイアウト術] 伊藤 学ウィルシステム
今回のWeb標準の日々の中でも個人的にはとてもためになったセッションでした。
CSSの基本的な約束ごと、便利なtipsの紹介的なセッションでした。
ざっと挙げると

  • ユニバーサルリセットの代表例の紹介
  • CSSの個別性の点数換算方法
  • CSSのモジュール化
  • レイアウト作成のおすすめ順序
  • ブラウザごとのチェック方法
  • 見やすいソースとバージョン管理の方法
  • 全部いりリーフページ作成のすすめ
  • プロパティの順序
  • 印刷用CSSへの注意

どれもためになりました。れぞれの詳細については以下参考ファイルに詳しいです。早速いろんな場面で実践してみたいと思います。

参考ulr:http://www.freesia.org/days2007/days2007_x3.zip

(4)[転ばぬ先のプロジェクトデザイン] 木達 一仁(ミツエーリンクス
つづいて行われたミツエーリンクスの取締役でもある木達氏によるセッションはプロジェクトを滞りなく遂行させるためのワークフローに関するものでした。ディレクション的な色あいの強い話ではありましたが、ウェブ制作にかかわる人間すべてにとって興味深い内容だったのでは?と思いました。
Jesse James Garrett
The Nine Pillarsの考えを基にワークフローのステップを(現状把握・要求分析)→(要求定義)→(基本、詳細設計)→(実装)→(検品)という工程に分け、セッションのなかで各項目における具体的な作業を確認していきました。
それぞれにおいてやはり、対クライアントはもちろん対社内においてもしっかりとしたルールの徹底が重要であると強調していたように感じました。
それでもプロジェクトが転んでしまう場合の例として以下のようなケースを挙げていました。
★段取り「2分」の場合・・・
とにかく時間が無く段取りが不十分なまま進行する。個々のプロセスに十分な時間がさけない。といったケース。
★不十分なコミュニケーション・ルール・・・
スタッフ間でい「いつ・何を」どのようなフォーマットでやり取りすべきか、といった定義の不十分な状態
★不十分なプロセス間の重なり・・・
フローとして機能していない。
★プロジェクト内レビューやクライアント承認の不履行・・・
プロジェクト内レビューとクライアントレビューの順番を誤れば事故につながることもある。
確認不足のままプロジェクトが進行すると思わぬ出戻りが発生する。
★スタッフアサインにて各人の専門領域や守備範囲が不明確な場合や、誰がいつまでに何をするのかが不明瞭な場合。
★アサインが完全でないままプロジェクトがスタートする場合。要するに場当たり的な人のアサイン。

なるほどなぁというご指摘。そして「プロジェクトデザインで転ばないために」ということで以下のポイントの必要性を挙げていました。

★基本的なワークフローの確認+段取り8分のスタンス
theNinePillersを参考にスタッフアサインを考えてみる。

さらに、「もっと転ばないために」ということで以下の点を挙げていました。

★クライアントの意思決定権層を含めプロジェクト関係者全員のWeb標準に一定の理解をもってもらう。
・・・アクセシビリティを高めるための手段としてのWeb標準のメリットをしっかりと伝える。
★ワークフローとスタッフアサインをプロジェクト毎に最適化。
★常にPDCA(PlanDoCheckAction)のサイクルを小さく回し続ける。

うーむ。日々の業務フローを省みながら聞いていましたが、妙に納得してしまう所多々有りでした。大変ためになるセッションでした。

 (5)[解体 Apple.com] 長谷川 恭久(COULD)
続いて2日目のセッション一つ目は最近リニューアルされたApple.comの検証からアップルのデザインコンセプトを学び今後のサイト制作に役立てるといったセッション。新生appleのサイトの特徴として800px を超えた横幅、随所に実装されたJavaScript、QuickTimeによる動画コンテンツの充実、OSやアプリケーションとのUIの一貫性という点に注目。また検索機能の充実ぶりを検証しました。これには確かに驚かされました。OSXの検索機能とほぼ同等の使いやすさを実現。HTMLページが提供出来るリッチな体験、アプリケーションに近いインタラクション、フィーリングの重要性という先進的かつアップルらしいWebサイトの特徴を読み取ることができました。

Apple.com からみる今後のWebサイトの方向性として、目的にあわせたレイアウト設計、最低限の統一感を保つ、ソフトウェアのインタラクションの再現、アニメーションによる気付きという点の重要性をあげていました。トータルな体験を理解する、省くことの重要性、見覚えがある要素を盛り込む、感覚的な部分を大事にする、すべては使う人のためという、これらの要素はウェブデザインを考える上で重要な視点であるというまとめでセッションは終了しました。
参考資料:http://www.movedigital.com/go/yhassy/84887/apple_com.pdf.zip
            補足
 

(6)ブラウザ表示モード解説:傾向と対策 上ノ郷谷 太一
このセッションはタイトルの通り、ブラウザの違いによるCSSの効き方の違いをまとめたかなりマニアックかつ実用的な内容でした。イレギュラーな仕様の多いIE6と7についての特性を含め各ブラウザごとの振る舞いをしっかりとまとめておくのが重要であると再認識。またCSSを組む前提としてのHTMLの構造自体がしっかりとしていないと、CSSにも影響を与えるということがよく分かりました。
具体的なソースの話はここでは割愛させていただきますが、DOCTYPEと相互互換/標準モード、これらの条件によって起こる各ブラウザの振る舞い。この辺りをしっかり押さえとかないとCSSレイアウトは理解できないんだなと思いました。早いうちにまとめないと。。当日の資料等に関しては後日フォローアップする予定です。

(7)XHTML+CSSガイドライン 益子 貴寛
作業の効率化と後々のトラブルを未然に防ぐためにコーディングガイドラインの重要性を説いていました。ガイドライン作成の目的として以下の4つをあげていました。

  1. 作業効率の向上、ムダ、ムラの解消
  2. 品質の保証
  3. スキルの均一化
  4. ノウハウの体系化
またガイドライン作成5つのポイントとして
  1. 作っただけでは意味が無い
  2. クリエイターの自由な発想を束縛するものではない
  3. ガイドライン策定は人間的な作業
  4. みんなの仕事を「楽にする」という発想が大切
  5. いかにヴォリュームを少なくするか
を指摘していました。実際のガイドライン詳細は以下の参考URlを参照。
http://cybergarden.jp/days2007/20070716.pdf

(8) パネル・ディスカッションブラウザはどこに向かうのか?Opera×Firefox×IE
木達 一仁、金井 玄、中野 雅之、五寳 匡郎、Charles McCathieNevile、市川 恵貴
Firefox、IE、Operaの各ブラウザベンダーより代表者が一堂に会しWeb標準、ベンダー間での共同、そしてブラウザとWebの今後という3つのテーマについての木立氏からの問いかけに対し、各ブラウザの代表者が意見を表明しあう形でセッションは進行。三者間に多少の相違はありましたが、(←そこが各ブラウザの特徴でもあるんだなと思いました)それぞれにWeb標準に準拠しながら、そしてWebのオープンさに配慮しながら、ブラウザをより進化させて発展させて行くという方向性は共通しているようでした。


まとめ(今回の「Web標準の日々」を終えての個人的感想):

そもそもWeb標準に準拠するということがどれくらい重要であるのか、これはそれぞれの立場によって違ってくると思われるため、極論をいえば正しい答えはないのかもしれません。なぜならばテーブルレイアウトに慣れ親しんだ制作者が、Web標準を無視しテーブルレイアウトを駆使して制作することにより結果的に納期を早められ、各ブラウザでの表示が確実になるというケースはよくあるわけですし、標準準拠よりも納期短縮のプライオリティが高い場合、CSSレイアウトのスキルの低い現場においてはそういう状況に否応なくなってくるのも当然だからです。
そういったテーブルレイアウトによってもたらされるメリットが最優先事項である場合、Web標準準拠は無視されて当然です。またWeb標準に対するリテラシーが低い場合も同様でしょう。

しかしながら将来的かつWebの原点に視点をさかのぼって考えてみると、WebサイトはW3Cの仕様標準に準拠した形で作られることの方が望ましいことが自明であるように思われます。
なぜならば、ブラウザは今後ウェブ標準に準拠する形で開発を進めて行くわけですし、様々な形で(X)HTMLが利用、応用された場合(というよりも当然そうなるわけですが)、標準準拠が前提で初めてWebの進化による利益を享受できるわけです。
Webはもともとユーザーの自由意志であったり、様々な立場の人が使えるオープンな情報ソースたり得るメディアとして生まれ、今後もそうで有るべきものとしての発展が期待されています。
その本来のあり方に常に立ち返りつつ、そんなオープンなWebを実現させるべき指針として機能し、最低限の約束事として用意されたのがWebStandardという考え方なのだと思います。そんなことを考えました。

今回のセミナーはWeb標準をテーマにしたものでは有りましたが、それぞれのセッションは独立した色合いが強かったため、個々の関連性はそれほど強くは無かったように思いました。しかしながら既に標準準拠が前提で話が進んでいるセッションが多いことを考えると、やはり業界標準としてしっかりと押さえておかなければならないテーマだと思いました。

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コメント (3)

m1:

伊藤様。コメントありがとうございました。とてもとても分かりやすくためになるセッションでした。また同様なものがあればぜひとも参加したいです。

今回は、ご参加ありがとうございました。
私のセッション、何かのお役にたてていただければ幸いです。

m2:

m1さん、非常に分かりやすいレポート有難うございました。転ばぬ先・・・ということでやらなくてはならないことはたくさんありますね。各ご意見は「なるほど」と同意できるものがほとんどですね。
将来のことを考えると今のうちに対策を練っておくのは必須ですね。

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2007年07月20日 14:46に投稿されたエントリーのページです。

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